あなたの行きたい場所
【概要】
9×9のマスに目印(コインなど)を置き、観客の任意の通りに縦・横に移動させますが、最後にたどり着くマスをあらかじめ予言しています。
(結論的に書くと、観客が自由に縦・横にマス目を移動させますが、最後的にたどり着くマス目は初めから決まっています。)
説明は文章で読むと少し難しいですが、説明の通りの手順で行うだけで誰もでできます。手順を間違えなければ、結果が違うことはありません。
マジシャン的なテクニック(技法・技術)を必要とせず、それでいて効果的なマジックです。
原理は、小学校の算数レベルです。お子様のお勉強にもなるかも!?
【評価】
難 易 度:★★☆☆☆
演 技 力:★★☆☆☆
テクニック:★☆☆☆☆
インパクト:★★★☆☆
【準備】
【事前説明】
説明の便宜上、エクセルファイルに印刷された地名のマスのそれぞれに1~9の番号をふって解説します。
1.北海道 | 2.東北 | 3.関東甲信越 |
4.中部 | 5.北陸 | 6.近畿 |
7.中国 | 8.四国 | 9.九州 |
まずは、9マスの好きなところに、観客に自由に100円玉を置いてもらいます。。
演目として、この100円玉を演者(マジシャン)の指定した回数だけ、自由に動かしてもらいますが、次のルールで移動させます。
- 上、下、左、右のいずれかに1マスずつ動かします。
- いずれかに動かすことで、移動回数を1回と数えます。
- 斜めには動けません(例:「4.中部」からは「2.東北」あるいは「8.四国」へは直接動かせません。)。
- 斜めには動けませんが、数回動かした後に結果として、斜めの位置に移動することは可能です。(例:2回移動した場合(移動回数は2回とします)、「4.中部」のマスから、「5.北陸」→「2.東北」と移動することは可能です)。
- 上、下、左、右のいずれに動かすかは観客の自由です。
【手順】
台詞などはご自身でアレンジあるいは創作してください。あくまで説明用の最低限の台詞を掲載しています。
まずは、実際に下記の台詞例の通りにしてみてください。
- 「ここに9つの地名が書かれたシートがあります。」と言ってシートを見せつつ、100円玉を北陸のマスにおいてください。
- 「これから、私の指定する回数だけ、この100円玉を上下左右に1マスずつ動かして欲しいのですが、斜めには移動できません。たとえば、北陸から北海道に移動したい場合は、北陸→中部→北海道あるいは、北陸→東北→北海道と移動させてください。もちろん、北陸→四国→中国→中部→北海道と、他の場所を経由してから北海道にたどり着いても構いません。」
- 「戻ることも可能ですが、その場合も移動回数を1回と数えます。たとえば、北陸→東北→北陸と移動したら、移動回数は2回と数えます。」
- 「では、お好きなマスにコインを置いてください。」
ここで、1.北海道、3.関東甲信越、5.北陸、7.中国、9.九州の奇数番号のマスに100円玉が置かれた場合は。以下の台詞が一つ増えます。2.東北、4.中部、6.近畿、8.四国のマスに100円玉が置かれた場合は、一つ飛ばしてからの台詞になります。 - (1.3.5.7.9.のマスにコインが置かれた場合のみの台詞)「では、練習してみましょう。5回、好きな方向へ移動してください。」(これで、2.4.6.8.のいずれかのマスに100円玉が必ず来ることになります)。
- (2.4.6.8.のマスにコインが置かれた場合は、ここから)「では、ここからは私は後ろを向いていますので、声に出さずに好きな方向へ移動させてください。
- 「では、4回動かしてください。」(動かし終わったタイミングを見計らって)「九州には居てませんね。では、九州に×を書いてください。なお、×を書いたエリアには行けませんし、通れませんのでご注意ください。」
北海道 東北 関東甲信越 中部 北陸 近畿 中国 四国 (×)九州 - 次は、5回、目印を移動させてください。・・・近畿には居てないですね。では、九州同様に近畿に×を書いてください。」
北海道 東北 関東甲信越 中部 北陸 (×)近畿 中国 四国 (×)九州 - 「次は、2回、動いてください。・・・四国に×を書いてください。」
北海道 東北 関東甲信越 中部 北陸 (×)近畿 中国 (×)四国 (×)九州 - 「では次は3回、動いてください。・・・関東甲信越、中国に×を書いてください。残りは北海道、東北、中部、北陸ですね。」
北海道 東北 (×)関東甲信越 中部 北陸 (×)近畿 (×)中国 (×)四国 (×)九州 - ではもう一度3回動いてください。東北に居てませんね。これまでと同様に東北に×を書いてください。」
北海道 (×)東北 (×)関東甲信越 中部 北陸 (×)近畿 (×)中国 (×)四国 (×)九州 - 「では最後です。1つだけ動いてください。」
- 「あなたの行きたい場所は・・・、ズバリ中部ですね。」
【原理解説】
上記の台詞(移動回数と取り除く位置)の通りに行えば、必ず「4.中部」の位置に来ますので、地名の部分をご自身で、好きな食べ物や果物、好きな芸能人名などにも変えても当てることができます。
ただし、原理を知っておいた方が最終的にたどり着く位置などもアレンジできますので、ご説明いたします。(知らなくても上記の手品はできます)
1 | 2 | 3 |
4 | 5 | 6 |
7 | 8 | 9 |
上記のとおり、各マスに1~9の数字を割り当てます。どのマスからでも上へ移動すると、そのマスの数字が3減ります。(例:7のマスから4のマスへ移動すると、7-4=3、5のマスから2のマスへ移動すると、5-2=3)
同様に下へ移動すると数字が3増え、右へ移動すると1増え、左へ移動すると1減ります。
この事から、1回移動すると100円玉のあるマスの数字から+1、-1、+3、-3されたマスに移動する(移動した)ことになります。
ここで少し算数の話になりますが、奇数+奇数=偶数、偶数+奇数=奇数、偶数+偶数=偶数となります。
ここでこのマジックの最初に戻ると、最初に100円玉を置いた場所が奇数のマスの場合は、練習の名目で5回移動してもらっています。これは偶数のマスに強制的に誘導しています。(最初の場所・奇数+奇数)+(奇数+奇数)+(奇数+奇数)=偶数+偶数+偶数=偶数のマス。この練習の名目の5回の移動で100円玉は、必ず2、4、6、8、のいずれかの場所にあります。
あとは、同様の原理で移動を繰り返していくたびに行ける場所を減らして最終的に目的の位置に誘導しています。
【アレンジ・補足】
- 各マスはそれぞれ分離しておいて、不要になったマスも×を書くのではなく、裏返して行き、中部のマスの裏にだけ「あなたはここに来る。」などと書いておくと繰り返し使えます。その場合、並びにだけ注意してください。
- 移動回数と×を書く地名が覚えられない場合は、カンペもエクセル、PDFデータにつけていますので、こっそり見ましょう。あなたは後ろを向いて指示を出しているので、堂々とカンペを見ることができます。(ただし、最初の位置には注意が必要)
【ダウンロード】
あなたの行きたい場所(エクセル)
あなたの行きたい場所(PDF)