加工硬貨(ギミックコイン)について
日本の加工硬貨(ギミックコイン)について思うこと。
まず、2014年現在、日本において硬貨を削ったり、傷つけたりすることは違法です。
そして、単純保持(持っていること)は違法でないです。つまりギミックコインを作った人は法により処罰されますが、それを購入して持っていても罰則はありません。なので、使っている人は法に抵触していません。
以上を前置きした上で結論を申しますと、「所持することが違法でなくても、違法な過程を経てできた加工硬貨を使うことは、私の美徳からすると許せることではありません。」
なので、使用している人を見たら「あぁ、やっぱりマジシャンなんて所詮その程度の職業だよな。」って思うだけです。
<本題>
比較的モラルの低い業界ですので、業界の標準としては残念ながら、「持っていることは違法ではないからいいじゃない。」と言う考え方が主流だと感じます(TVに出演しているプロですら使っていますし)。
その考えが主流だと言う証拠に、実際に硬貨を加工して逮捕者がでた時に、加工硬貨について報道したマスコミ(メディア)を相手に、多くのプロ・アマを問わないマジシャンたちが連名で、裁判所に訴えを起こしました。
放送内容は、穴を開けた硬貨(硬貨の真ん中にタバコが通るようになっている。しかし、一見して分からない様にするために、タバコが通ってないときは蓋が閉まる構造になっている)や、3つ折りに出来る硬貨(口の細い瓶を通せます)などの加工の手口のです。「加工の内容・方法=犯罪行為の核心部分」なのでこれらを放送するのは当然です。
それに対して、一部のモラルのない(頭の悪い?)マジシャンたちは、TV局を相手に「お金をだして買ったマジック道具のタネが世間にばれて損失を被った。」として、裁判所に訴えを起こしました。
裁判の結論は「棄却」。つまり(手続き上は問題ないが)「訴えに理由がない。」と言うことです。火を見るより明らかな結論で、マジシャン以外は、この棄却と言う結末を予測できていました。
結果として、マジシャンたちが騒ぐことでより、さらにメディアで放送されたことで、より世間にそれらのタネを知らしめただけでした。加えて笑い話にもならないけれど、頭の悪いバカマジシャンが記者会見で記者を相手に手品を披露しているTV報道を見た時は、さすがに吹いた(笑った)。
当然ですが、悪いのは法律を破った人(マジシャン)です。なので、その訴えを起こすなら、相手はメディアではなく、硬貨を加工して逮捕された連中だったはずです。もちろん、その場合でも判決は棄却あるいは却下だったでしょうが。
その裁判において、いろいろと(プロとして生業にしている人ですら)以下のようなくだらない言い訳をしていました。
- 誰にも迷惑をかけていないからいいだろ?
法律とはそういうものではありません。本当にそう思うのなら、まずは法律を変更する運動をすべきでしたね。 - 昔に出来た法律で今は意味がない。
法律とはそういうものではありません。本当にそう思うのなら、まずは法律を変更する運動をすべきでしたね。
これについては、確かにできた当時とは情勢が変わり、今はほとんど意味のない法律です。ですが、逆にマジシャン以外はそのまま存在し続けても困らない法律なので、現代まで放置されている経緯があります。 - 海外に日本の硬貨を持ち出して加工すればいいんだろ!
これを実行して結局逮捕されていた人がいました。
それ以前に、どうしてマジシャンと言う人たちは法を守ろうと言う意識が働かないのでしょうか? - 単純所持は大丈夫
その通り!
ですが、違法な工程を経てできた物を所持することに対する違和感がないことに、侮蔑の念を禁じえません。
今でも日本の加工硬貨を使っている人は多いですが、一部の真面目なマジシャンからすると、同類だと思われるのが嫌なので、早く業界自体が自浄作用でそういう考えが間違いだと気が付いて欲しいものです。
参考:
・セロも使っている違法硬貨(違法コイン)。
マリックもガラス瓶に貫通する500円硬貨で、磁石入りの500円硬貨を使っていますが。
・とあるアマチュアマジシャンとのTWITTERでのやりとり。