マジック

種明かしについて

 本テーマ(種明かしについて)は、これまで色々な方に散々と語られて来たテーマです。そのため、今更感は往々にしてありますが、自分のスタンスの表明を兼ねて思うことを書いてみることとします。

ダメな理由って?

 多くのマジシャン・手品師は「種明かしはダメ。」だと言います。
 その理由は、大きく分けて二つがあげられています。

 まず、ひとつは「タネはマジシャン共有の財産だから」と言う理由。しかしながら、これは明らかにおかしい(自己矛盾)。
 タネの考案者自身が、マジシャン共有の財産と言うのであればわかる。しかし、種明かし本やDVDあるいは誰かに習ったりして、自らも種明かし本・DVDなどに頼って手品を覚えただけなのに、「共有の財産」を理由にあげるのは、理屈に合わない。

 そしてよくもう一つは、「サーストンの三原則」を錦の御旗の様に掲げて種明かしは駄目と言う理由。
 しかしながら、サーストンの三原則は、マジシャン界の法でも律でもなければ、ましてや道徳ですらない。

 なので、これらを以て、種明かしがダメと言う理由にはならない。

タネを聞かれたらホイホイ教えるのが良いのか?

 では翻って「では、聞かれたら教えた方がいいのか?」と言う問いに対しては、私個人の感覚としては「教えない方が良い。」が返答となる。「教えてはダメ」ではない。
 私のスタンスを兼ねて述べると「大事なお客様や大切な友達などには絶対に種明かしをしない。」です。

 その理由としては、私なりのサーストンの三原則に対する理解がある。
 多くのマジシャンは、サーストンの三原則はマジシャンのタネの保護のためにあると理解しているきらいがある。
 しかしながら、私はサーストンの三原則はマジシャンのためではなく、観客保護の観点から語られたものではないかと考えている。何故なら、「タネを知ることで次からマジックを楽しめなくなる」と言う実害を被るのは観客自身なのだから。なので、大事なお客様や友達などには実害を与えたくないからこそ、絶対に種明かしをしないと言う結論なる。

 逆に言えば、面倒な方には何でもその場で解説(種明かし)をしています。


‘2009.5.10

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