マジック

マジックバーについて

 マジックバーなどで、手品を見せてもらって、あるいは見せられて思うこと。

 と、その前に、手品そのものについて思うことは、手品ほど演者が簡単に主役になれる趣味も少ないと思う。
 たとえば、漫才・お笑いの場合は相手の知性・知識・語彙と同等に合わせて演じる必要があるが、手品の場合においては、観客はタネを知らないので、ネタを選べば簡単に演じることができます。また、それが手品の特徴だと思います。
 それゆえ、素人漫才師と言うのは少ない(私は会ったことがない)し、プロになりきれず消えていく漫才師は多いのだと思う。
 マジックにおいては結構安易に人に見せられるためか、「演者>観客」の様な演技を見させられることがある。
 特に、プロ(?)マジシャンと言うか、こちらが金を払って見ているマジックバーで他の業種に比べて高頻度で遭遇してしまいます。
 訪問するマジックバーは東京と大阪がメインで、すべてを知っているわけではないので、偏っているのかもしれないけれど、経験上を述べてみる。


 手品の上手い下手については、技術の上手さも一因であることは認めるが、芸能としての基本が欠落している様に感じる場合がマジックバーでは多々ある。
 具体的には、手品云々ではなく以下の様な点が気になることが多い。

  • 手品道具が手垢で汚れている。
     バーなど飲食とセットになって手品を見る機会が多い中で、汚れたもの、手垢のついた道具を見せられると楽しさも半減。
  • 口の中から何かが出てくる。
     これも上記と同様、飲食を伴うバーなどで演じることに疑問を感じない非常識なマジシャンもいてます。
  • 自分の手品暦・マニアック度のすごさを語る(例:TVで有名な誰々と知り合いなど)。
     この手の話題は、単純に話をあわせるのが面倒です。
  • 現象の分かりにくいマニアックな手品を演じる。
     「(現象を)分かってますか?」などの口調で話しかけてくる。(ついていけないのを観客の責任にする)。
  • 観客をネタにする(例:借りた指輪を消して、くどいくらいに消えたことを強調する)。
     特に、指輪に関して言うなれば、左手薬指から外して貸した指輪をリング・フライトで消して、尻ポケットからキーケースを出すマジシャンはどうしようもないと思います。
     タネを知らない人でも尻ポケットから大事な指輪を出されたら腹が立つだろうし、タネを知っている人なら傷が付く可能性を知っているので怒り出しても不思議ではないです。
     私なら、(一人でその店にいてるのであれば)料金を叩きつけて店を出ます。それくらい酷いネタです。
  • あまりにも滑舌が悪すぎ。
     例をあげれば枚挙に暇がないですが・・・。まずは人と話すことから慣れないと。確かに、マジシャンって、対人恐怖症の引きこもりみたいなのが多いですけどね。
  • バーでありがちな具体例としては、観客がお酒を飲み干しているのに次の注文を取りに来ないところ。
     手品師が手品に一所懸命すぎて、すべての演目が終わるまで観客に気を使えない。また、他のスタッフもそこまで気が回らないなどである。もしくは、観客はマジックに集中してて、注文をとるあるいはおかわりを持ってくる必要が無いと自惚れているのであれば最悪ですね(^^;;;
     つまり、手品を見せることだけが仕事だと勘違いしているところに間違いがあるのだと考えます。
     多くの客にとっては手品が見られるバーであり、主体はバー(飲食)でマジックは従でしかない。
     そういう点ではマジックバーは接客業としては残念ながらまだまだ過渡期である。

2006.12.06

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です