第170条〜178条
第170条
伤寒脉浮,发热无汗,其表不解,不可与白虎汤。渴欲饮水,无表证者,白虎加人参汤主之。
外感病,脉象浮,发热无汗,是表证还未解除,不能用白虎汤,如果里热盛,津气伤,出现口渴想喝水,而没有表证的,用白虎加人参汤主治。
外感の病で脈が浮、発熱するが汗は無く、表証がまだ解けていない者には、白虎湯を用いてはならない。もし裏熱が盛んで、津液を消耗し、喉が渇いて水を欲しがり、表証がない場合は、白虎加人参湯を用いて治療する。
第171条
太阳少阳并病,心下硬,颈项强而眩者,当刺大椎、肺俞、肝俞,慎勿下之。
太阳病未解,又并发少阳病,出现胃脘部痞结胀硬,颈项拘急不舒,头目昏眩等证的,应当针刺大椎、肺俞、肝俞诸穴,千万不可用攻下的方法。
太陽病がまだ残り、またさらに少陽病を発症して胃部が痞て硬く張る症状が出て、首やうなじが強ばって、めまいなどに症状がある場合は、大椎、肺俞、肝俞などの経穴に針を刺すべきで、間違っても瀉下させてはならない。
第172条
太阳与少阳合病,自下利者,与黄芩汤;若呕者,黄芩加半夏生姜汤主之。
太阳与少阳两经同时感受外邪而发病,邪热下迫肠胃,而出现自下痢的,用黄芩汤,如果呕吐的,用黄芩加半夏生姜汤主治。
太陽系と少陽系が外邪を同時に受けて発病し、邪熱が胃腸部に迫り、自然と下痢するものには黄芩湯を用いる。もし吐き気がある場合は黄湯に半夏と生姜を加えて(黄芩加半夏生姜湯)用いる。
第173条
伤寒胸中有热,胃中有邪气,腹中痛,欲呕吐者,黄连汤主之。
外感病,胸脘部有热,腹中有寒,腹中疼痛,想呕吐的,用黄连汤主治。
外感の病で、胸や胃のあたり(胸中部)に熱があり、お腹に冷え(寒邪)があり痛む。また吐き気もあるのは黄連湯を用いて治療する。
第174条
伤寒八九日,风湿相搏,身体疼烦,不能自转侧,不呕,不渴,脉浮虚而涩者,桂枝附子汤主之。若其人大便硬,小便自利者,去桂加白术汤主之。
外感病八九天,风湿相互搏结,出现身体疼痛剧烈,不能自行转侧,不作呕,口不渴,脉象浮虚而涩的,用桂枝附子汤主治,如果病人大便硬结、小便通畅的,用去桂加白术汤主治。
外感の病に罹り8,9日が経ち、風邪と湿邪の両方に攻撃され、激しい身体の痛みが出現し、寝返りもうてず、吐き気や口に渇きはなく、脈が浮で虚あるいは渋な者には桂枝附子湯を用いて治療する。もし大便が硬くて、小便は普通に問題なく出るのであれば桂枝加附子湯から桂枝を去り白朮を加えて(去桂枝加白朮湯で)治す。
剧烈jùliè :(争い・運動・変革などが)激しい.猛烈だ.
第175条
风湿相搏,骨节疼烦,掣痛不得屈伸,近之则痛剧,汗出短气,小便不利,恶风不欲去衣,或身微肿者,甘草附子汤主之。
风湿相互搏结,全身关节剧烈疼痛,牵引拘急不能屈伸,触按则疼痛更甚,汗出,短气,小便不通畅,畏风不愿减衣,或者身体轻度浮肿的,用甘草附子汤主治。
風邪と湿邪の同時に攻撃され、全身の関節が激しく痛み、筋肉が張って関節を曲げることができず、触れると痛みは増し、汗が出て息切れし、おしっこの出が悪くなって、寒気がして服を多く着たがり、あるいは少し浮腫んでいるのは、甘草附子湯を用いて治療する。
短气duǎnqì
・(日中中日辞書)気落ちする.自信を失う.
・(傷寒論解説・金子幸夫先生)息切れする。
・(入門傷寒論・森由雄先生)呼吸が切迫する。
・(百度百科)指因呼吸短促而不相接续的情况。即呼吸短促而不相接续之意。
第176条
伤寒脉浮滑,此以表有热,里有寒,白虎汤主之。
外感病,脉象浮滑的,这是表有热,里也有热,用白虎汤主治。
外感の病で、脈が浮で滑なのは表に熱があり、裏にも熱がある。白虎湯を用いて治療する。
第177条
伤寒脉结代,心动悸,炙甘草汤主之。
外感病,脉象结代,心中悸动不宁的,用炙甘草汤主治。
外感の病で、脈が結で代。胸中が動悸して不安になるのは、炙甘草湯を用いて治療する。
第178条
脉按之来缓,时一止复来者,名曰结。又脉来动而中止,更来小数,中有还者反动,名曰结,阴也。脉来动而中止,不能自还,因而复动者,名曰代,阴也。得此脉者,必难治。
脉象按之见缓,时而一止而又继续跳动的,就叫结脉。
又有脉象跳动中一止,能够自还,脉搏停止间歇时间短,复跳的脉稍快的,名叫结,属于阴脉。
脉象跳动中一止,不能自还,良久方再搏动的,名叫代,属于阴脉。出现这种脉象的,多难于治疗。
脈がゆっくりで、時に一時的に止まりまた継続して脈打つのを結脈と呼ぶ。
また脈が一時的に止まるが自ずと戻り、その時間は短く、戻った脈はわずかに速く、結脈は陰脈に属する。
脈が一時的に止まり、自ずと戻らずその時間は長く止まり、再び脈打つのは、代脈と呼び、陰脈に属す。治療するのがとっても難しい。