読後感

ありえないほどうるさいオルゴール店/瀧羽麻子

タイトル:ありえないほどうるさいオルゴール店
初版:令和3年(2021年)2月5日/令和3年7月5日 4版
発行:幻冬社
著者:瀧羽麻子[たきわあさこ]

 さくっと読めて面白い。

 設定にファンタジーとまでは言わないけれど、少しファンタジー的な設定がある。その設定を活かした7話から構成されている。

 泣ける系みたいなんですが、そこまで泣ける系ではない(笑)。でもまぁ、心温まる話ばかりではあり、全体的には悪くない。

 個人的な感覚もあるけれど、1話は良かった。確かに第1話は泣ける人には泣ける。
 第1話は(超常的な能力の)設定がうまく活かされて、優しい感じの結末を得ることができた。1話が個人的に秀作だと感じただけに、(期待が上回り過ぎたの)2話目以降が1話目ほどの衝撃はなかった。特に4話目の「ふるさと」は、無理があるというか、「え?それだけ?」って感じが否めなかった。もちろん、2話目以降が面白くないと言うことではない。

 全話を通して、ガチガチの結末(ハッピーエンド)までは描かれていない。だからこそ、柔らかな雰囲気が全体に流れていて、優しい結末を想像できるように仕上げられている。
 週末の夕方に、コーヒーでも片手に読み進めたい一編。

ありえないほどうるさいオルゴール店/瀧羽麻子

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