スマホ脳(スティーブン・ジョブスはなぜわが子にiPadを触らせなかったのか?)/Hansen,Anders
タイトル:スマホ脳
初版:2020年11月20日(11刷:2021年3月11日)
発行:株式会社新潮社
著者:Hansen,Anders[アンデシュ・ハンセン]
訳者:久山葉子[くやまようこ]
新しい技術や知識などに、盲目的に異を唱える自然主義者たちとは明らかに一線を画している。やたらとスマートフォンの恐怖(デメリット)を煽るだけでなく、功の部分にも触れられている。
そして、脳科学分野と言うまだまだ解明されていないところが多い分野において、できる限りのエビデンスを提示し、そこから導き出される(推定を含む)結論には説得力がある。
何かを無視するというのは、脳に働くことを強いる能動的な行為だ。きっとあなたも気がついているだろう。友達とお茶をするために、スマホを目の前のテーブルに置く。気が散らないように画面を下にするかもしれない。それでもスマホを手に取りたい衝動が湧き、絶対にさわらないと覚悟を決めなければいけない。
P94
確かに、メールやメッセージなどが届いてしまうとついつい見てします。飲み会とかでも机の上に置いてるもんな。今度からは、カバンの中にしまっておこう。
私たちが生き延びるのを助けたのは、食べ物とゴシップだった。
P130
(中略)
おもしろいことに、私たちはとりわけ「悪い」噂が好きらしい。上司が泊まりがけの研修で酔っ払って恥をかいたという話は、上司が秀逸なプレゼンをしたという話よりも興味をそそる。実際に、悪い噂は絆を強める。2人の人間が第三者のことを話すとき、内容が悪いことであれば、双方に強い仲間意識が芽生えることが判明している。
あるあるです。少しの後ろめたさと言うか、多くの場末居酒屋で聞こえてくるサラリーマンたちの酒の肴No.1は「上長の悪口」か「会社(=経営陣)の悪口」だと思う。馬鹿なサラリーマンの世迷いごとかと思っていたけれど、生き延びるために脳が獲得してきた能力だったのか!
私たちは何に嫉妬するのだろう。新しい車や改装したてのマンション? どちらでもない。嫉妬を感じるのは他人の体験だ。珍しい場所でのバカンス写真は、高価なソファや高速のスポーツカーよりも嫉妬を起こさせる。そして体験は、私たちが普段いちばんシェアしているものだ。
P145
確かに、金さえ出せば得られる自慢より、経験自慢の方が多い気はする。
自動化や人工知能の普及により、消えてしまう職業は多い。人間に残される仕事は、おそらく集中力を要するものだ。皮肉なことに、集中力はデジタル社会で最も必要とされるものなのに、そのデジタル社会によって奪われてもいる。
P224
もし、この本に書かれいることがまったくの出鱈目であったとしても、スマホいじりを減らすことには十分なメリットがあると判断した。そう言うわけで、早速以下を実行してみた。
- iPhoneのスクリーンタイムのシステムを使って、19時10分〜4時30分まではAppを使えない様に設定。
(4時40分に起床しているので、4時30分まで。) - iPhoneからはFacebookおよびTwitterのAppを削除。(PCを立ち上げた時のみ不定期チェックとする)
- メールは自動的に送られてくるプッシュではなく、アプリを立ち上げないと受信しないフェッチ(手動)に変更。
- Appのプッシュ通知はすべてオフ。
- iPhoneを寝室に持ち込まない。(これは目覚まし時計を購入してから実行予定)
- (本著にはスマホの画面をモノクロに設定とあったが、こちらは趣味の写真の関係上、未実行)。
まぁ、もともとFacebookなんか、運営に1ヶ月とか利用停止をくらったりしているので、使わなくても全く苦ではないので、おそらく問題なく過ごせると思う。(その分、PCで遊ぶ時間が増えたら意味はないけれど)
スマホ脳(新潮新書)