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まとめ:訴訟類型例(行政事件訴訟法)

取消訴訟(抗告訴訟)

  • A県が保管する国の文書について、A県知事が県情報公開条例に基づき公開の決定をした場合において、国が当該決定の取消しを求める訴訟。
  • 建築基準法に基づき私法人たる指定確認検査機関が行った建築確認拒否処分の取消しを求める申請者の訴え。

不作為の違法確認訴訟(抗告訴訟)

  • 食品衛生法に基づいて、都道府県知事に対して行った飲食店営業許可の申請に対して、相当の期間内に何らの処分も行われない場合に、その不作為の違法確認を求める訴え。

差止め訴訟(当事者訴訟)

  • 住民基本台帳法に基づき、行政機関が住民票における氏名の記載を削除することの差止めを求める当該住民の訴え。
  • 健康保険法に基づき保険医療機関指定の取消処分を受けるおそれのある者がその差止めを求める訴え。

形式的当事者訴訟(当事者訴訟)

  • 土地収用法に基づいて、土地所有者が起業者を被告として提起する損失補償に関する訴え。
    • 土地収用法に基づく都道府県収用委員会による収用裁決においさて示された補償額の増額を求める土地所有者の訴え。
  • 著作権法に基づき著作権者が著作権物利用者に対して補償金額の増額を求める訴え。

実質的当事者訴訟(当事者訴訟)

  • 日本国籍を有することの確認の訴え。(生後認知児童国籍確認事件(最大判平20・6・4))
    外国人の母から出生した子が、日本人の父から生後認知を受けても、父母の婚姻による嫡出子の身分を取得しなければ日本国籍を取得できない国際法3条1項が憲法14条1項違反として、日本国籍を有することの確認を求めて訴えを提起。(実質的当事者訴訟に該当する。)
    結論は合理的な理由のない差別として、国際法3条1項は違憲。
  • 在外選挙権制限事件
    在外国民に対して選挙権を認めていない公職選挙法の規定が違憲であることの確認。(最大判平17・9・4)
  • 憲法に直接基づいて請求する損失補償
  • 公務員の棒級請求訴訟
  • 憲法に直接基づいてする損失補償請求の訴訟。(個別法に規定がない場合)

民衆訴訟(客観訴訟)

  • 地方自治上の住民訴訟
    • 公職選挙法に基づいて、選挙人または候補者が中央選挙管理会を被告として提起する衆議院議員選挙の効力に関する訴え。
    • A県知事に対してA県住民が県職員への条例上の根拠を欠く手当の支給の差止めを求める訴訟。
  • 公職選挙法上の選挙・当選の効力に関する訴訟。
    • A県議会議員の選挙において、その当選の効力に関し不服がある候補者がA県選挙管理委員会を被告として提起する訴訟。
    • 公職選挙法に基づいて、選挙人または候補者が中央選挙管理会を被告として提起する衆議院銀選挙の効力に関する訴え。
    • 地方公共団体の長の候補者が他の候補者の当選無効確認を求める訴え。

機関訴訟(客観訴訟)

  • 地方自治法に基づいて、市町村の境界に係る都道府県知事の裁定に対して関係市町村が提起する訴え。

民事訴訟

  • A県県営空港の騒音被害について、被害を受けたと主張する周辺住民がA県に対して集団で損害の賠償を求める訴訟。
  • A県がB市立中学校で発生した学校事故にかかわる賠償金の全額を被害者に対して支払った後、B市が負担すべき分についてA県がB市に求償する訴訟。
  • 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づき許可を得ている原子炉施設の運転の差止めを運転者に対して求める周辺住民の訴え。
    • 争点訴訟
      • 土地収用法に基づく都道府県収用委員会による収用裁決の無効を前提とした所有権の確認を求める土地所有者の訴え。(争点訴訟) →土地の収用を違法として争う訴えは、取消訴訟(抗告訴訟)

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